ここ数年、アニサキス、アニサキスとよく耳にするようになりました。私たち釣り人は特に耳にする機会が多いんじゃないかと思います。昨日(2018.7.9)配信されたニュースによると、正露丸の主成分である木クレオソートにアニサキス胃腸症の原因であるアニサキスの活動に対する抑制効果があるとして、正露丸の製造販売元である大幸薬品が特許を取得したとのことでした。
これはなんだか うはっ♪ となるニュースでした。
スポンサーリンク
正露丸はアニサキスの活動を抑えて腹痛を一時的に緩和するだけ
ただ注意しなくてはいけないのは、アニサキスの活動を抑えるだけで殺すわけではないということです。最終的には病院で内視鏡を使って取ってもらうのが一番なので、それまでの痛み緩和程度に考えておくのがいいようです。
激しい腹痛に正露丸で応急処置は正解だった
ちまたでは「アニサキスなら正露丸を飲んでおけばいい」ということがまことしやかに言われていたようで、その効果を身をもって実感されている方もすでにいたようです。今回の大幸薬品の特許取得によってその効能が正式に認められたようです。
アニサキス胃腸症の罹患数が近年になって増えているのは冷凍技術と流通の発達によるもので、新鮮な魚を届けられる反面新鮮な生きたアニサキスも届けられるようになってしまったからで、昔々はアニサキス症なぞ漁村での地域病とみられていたらしい。
ちなみにアニサキスは本来生きている魚を中間宿主としてその内臓の中に寄生しています。宿主である魚が死んで内臓の温度が上がることでアニサキスたちは「やっべ宿主死んだっぽい!俺たち逃げようぜ!」ってことで内臓から外に出てその身の中に入り、ちょうどそのタイミングで生食として食卓に届くことでめでたく人間様のお口に届くわけです。でも人間の内臓ではアニサキスは成虫になれないので数日で死ぬかウ●チと一緒に排出されます。
とにかく病院で早めに取ってしまうことが肝心
アニサキスは人間の消化管壁をぶち破ってしまうことは少ないけれど、まれにぶち破るツワモノもいるようでその場合は腹膜炎や肉芽腫に発展してしまいます。胃のさらに奥の腸内まで届くと腸閉塞の原因にもなってしまい、重篤な場合は開腹手術が必要になることもあります。とにかく早めに病院で取ってしまうのが肝心です。
スポンサーリンク
ホントっぽいけどアニサキス対策として効果が期待できないこと
よく噛んで食べる
めちゃくちゃ意識して咀嚼すればアニサキス対策にならないでもないようですが、アニサキス自体なかなか強靭で通常の咀嚼程度では無理!かなり危険が残るので止めたほうがいい
薄く切る
アニサキスは包丁で切断されるとすぐに死ぬけれど、薄く切ってもアニサキス自体がめっちゃ小さくて切れ目からすり抜けることがありまくりなので危険はかなり残る
ショウガ、ワサビ、ニンニクと一緒に食べる
殺虫効果を期待してのことだと思われるがこれらでは死滅しないし効果はない
お酢
料理で使う濃度では死滅させることはできない
んじゃアニサキス胃腸症はどうすりゃ予防できるの?
アニサキスには十分な加熱または冷凍処理が有効。
- 60℃以上で1分以上加熱
- -20℃で24時間以上冷凍(家庭用冷凍庫では48時間以上)
- 釣ったらすぐに内臓を取り除く(または6℃以下で保管)
- 調理中に内臓と身を接触させない(同じまな板に乗せたり同じ器具を使わない)
- 目で見て取り除く
加熱処理は家庭でもできるけど-20℃で冷凍処理って・・・。でも家庭の場合は冷凍庫に48時間以上置くことでリスクを減らすことができる。
死んだらすぐに内臓を取ることも有効だけど、それでも魚の内臓まわりの身(筋肉部)に寄生していることもある。完全にリスクを負わない方法は生食を避けるしかないようです。
釣り太郎の親父とゆかいな仲間達
昔、釣り太郎の親父がその友人たちと刺身を食べてそのあとみんなで仲良くお腹の激痛に転げまわっていました。それはもうものすごく痛いようで脂汗タラタラでした。今思えば、「そんなときは、ハイ正露丸♪」と渡してあげれば少しは痛みを軽減させてあげられたし、そんなことを知っている私のことをもう少し尊敬してもらえたかなと思ったり。
なんにしても、リスク管理とリスクへの対処を覚えて、これからも果敢に刺身を食べ続けようと思う釣り太郎なのでした。みなさんももしアニサキスにやられたときは正露丸飲んで病院へ行きましょう。