私が初めてシーバス(スズキ)を釣ったのは、当時ハマっていたうなぎ釣りをしているときでした。当時はスズキがいるということは聞いていましたが、まったく釣りの対象ではなかったのですし、まさか釣れるなんて思ってもいませんでした。
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あの日、夜10時くらいに河口の汽水域で竿を3本出して、ぶっこみ釣りでうなぎを狙っていました。“ぶっこみ釣り”とは、オモリの先に50cm~1mくらいのハリスと針、そして餌をつけてドボン!と投げてあとはアタリを待つ、そんな単純な釣りです。
うなぎの好物はミミズですが、私はミミズを探すのが面倒なのでイソメを買って餌にしていました。うなぎはイソメでもちゃんと釣れます。(でもミミズのほうが反応はいいかも)
その時も三脚を設置して、3本の竿を立て掛けて静かな夜の気ままなひと時を過ごしながら、まったりとアタリを待っていました。
ガボシャァァッ!!!
遠くの水面で何かがものすごい音を発しながら水面を飛び出ました。と同時に、立て掛けていた3本の竿が三脚ごとなぎ倒されました。3本の竿は水際に向かって転がりながら絡まるようにして地上を走っていきます。
私は何事かと慌てふためいて、とにかく竿を追いかけました。竿が半分水に引き込まれ、ギリギリのところでキャッチしました。危ないところでした。しかし、3本の竿はごちゃごちゃに絡まり、どれが本当に引っ張られている竿なのかわかりません。
やっとの思いで本命の竿を見分けましたが、強烈な勢いで糸が引っ張られています。“大きな何か” が掛かっている!このままでは糸が切れてしまう!!!そう思った私は反射的にリールのベールを起こし、糸を出しました。
ものすごい勢いで糸が出ていきます。
少し動きが収まったところでベールを元に戻し、おそるおそるリールを巻き始めました。たるんでいた糸がピンと張られると、その先から “大きな何か” の重みが伝わってきました。するとまたその “大きな何か” は抵抗を始め、走り始めました。
当時、ドラグという機構を知らなかった私は自分のカラダを前後に動かすことでその動きに追従しました。向こうがひるんだら私が後ろに下がり、走り出したら私が前に出るを10分以上続けました。
少しずつ、少しずつ、その “大きな何か” が近づいてきました。数メートル先に近づいたとき、ヘッドライトで水面を照らした時私は驚愕しました。そこには “鮭のように大きな魚” がいたんです。本当にびっくりしました。
やっとの思いで陸にズリ上げました。
はじめて見ました。
手がプルプルと震えていました。
息がハァハァいっていました。
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そこにはそれまでの私の釣り歴では見たこともないような大きな大きな魚が横たわっていました。77cmのスズキでした。岸に横たわるそのスズキを見ながら震える手で妻に電話をしたことを覚えています。
あのスズキはたくさんの幸運によって釣り上げることが出来ました。
あと少し竿をキャッチするのが遅かったら…。
あと少し当たった竿を見分けるのが遅かったら…。
あと少しリールのベールを起こすのが遅かったら…。
自分のカラダを前後に動かせだけの場所がなかったら…。
今思い出しても、すべてが一瞬で、我ながら自分でもよく瞬時に対処できたなと思います。とにかくもう必死でした。
決して忘れられない、私にとって初めての衝撃的なスズキとの出会いでした。
記事追記しました
今ではルアーで狙ってそこそこの大きさのスズキを釣っていますが、あのときの興奮はやはり格別でした。
やっぱり釣りって楽しいですよね!
みんなそれぞれ忘れられない一匹がいると思います。みなさんの思い出の一匹はどんなだったんでしょうか。
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