みなさんは港で海に落ちたことがありますか？
私は落ちました。
スポンサーリンク
とある大きな港の岸壁で夜釣りをしていた時のことです。夜10時頃。水深は10m以上あるような場所です。まだ寒さの残る４月の海でした。この時期になると夜光虫というプランクトンが現れ、水面で青白い光を放ち幻想的な光景が見られます。岸壁の真下でモヤモヤと光り輝いていました。
夜光虫の画像
私は「綺麗だなぁ～。」と思い、ちょうどバックに入っていた小さなプラスチックケースにすくってみようと思いました。プラケースを取り出して、トットットッと岸壁に近づいたとき、、、、、つまづきました。気が付いた時には、体はすでに陸へは引き返せない位置に飛び出していました。
「あ、落ちる。」
けっこう冷静に思ったもんです。次の瞬間には水面でもがいていました。４月でも夜はまだ寒く、上下厚着をしていたため、見る見るうちに服の生地が海水を吸い込み重さを増していきます。体の自由が利かなくなっていくような感じがしました。靴も履いたままでもう体が重い。
「まずい、このまま動けなくなって沈んでしまう！」
こうなると、もうパニック状態です。手足をバタバタさせます。バタバタさせるとなおさら水が入ってきます。やばいやばいやばい！となります。・・・・・ですが幸いなことに私の中に少しだけ残っていた理性がこう言いました。
「落ち着け。大丈夫。ゆっくりと大きく腕と足を動かしてみろ。」
やってみました。体は重くともゆ～っくりと動かしてみると、頑張らなくてもちゃんと体は浮いていました。次に考えたのはどうやって上に登ろうか、ということでした。私の目線は水面にあります。岸壁の高さは水面から2mくらいありましたが、果てしなく高く見えました。引き続き手足をゆっくりゆっくりと意識的に動かしながら冷静に考えようとしました。
「たしか、あっちの岸壁にハシゴがあったはずだ。」
ゆっくりゆっくり、慌てないようにと自分に言い聞かせながらそちらの方向に泳ぎだしました。50mほど泳いだところにハシゴはありました。ハシゴを掴まえ、水をいっぱいに吸って重くなった体を腕の力でめいっぱい引き寄せながら登りました。幸い私はハシゴの位置を確認していたので助かりました。あのハシゴがなかったらと考えると今でもゾッとします。
その後はびしょびしょの体で車を運転して帰りましたが、興奮状態でほとんど覚えていません。交通事故にあわなくてよかったと思っています。帰ってから車のハンドルを見てびっくりしました。血だらけだったのです。無我夢中で登ったハシゴにビッシリ生えていたカキ殻で手のひらをたくさん切っていました。
スポンサーリンク
私はこうして運よく助かりました。
釣り人のみなさんへ馬鹿な経験者の私から一言。
初心者の方もベテランの方も聞いてほしいです。
まさか自分は落ちないと思っていても、思いがけない形で落ちます。
それはまったく予想もしない形でやってきます。私もそれまでは「岸壁から落ちるなんて絶対有り得ない」と思っていました。実際、私の近所の港でも毎年何人か釣り人が帰らぬ人となって引き上げられます。これを読んでくださっているみなさんもご自身に十分起こり得ることだということを意識していただきたいです。
その一件があってから、私はすぐにライフジャケットを購入しました。どんなに面倒でも、落ちそうにない場所でも必ず身に着けるようにしています。そしてもう一つ。万が一落ちた場合、どうやって陸へ上がるのかを必ず確認するようになりました。落ちてからでははっきり言ってパニック状態でどっち行こうかなんて考えていられないと思いますよ。
もう一度言います。以下の２点は必ず行いましょう。
１、ライフジャケットを着る。
２、万が一落ちた場合の上陸方法（場所）を確認しておく。
私のブログを読んでいただき、お一人でも多くの方に“万が一”を乗り越えてもらえることを願っています。
関連記事
>> 夜の港で海に転落して小心者になった私が注意している5つのこと
>> 【釣り事故の統計】初心者のみなさん、釣りは自然の中で楽しむ趣味ですよ
>> 【転落事故】釣りの時に港、ボートから海に転落した時の対処法
読み込み中 ...
読み込み中 ...
